全力で潜入!
過去3回(第1回、第2回、第3回)に渡りお伝えしてきた、IBMの高性能クラウド「SoftLayer」の魅力。普段僕たちが使っているインターネットサービスの根底を支える、縁の下の力持ち的な存在のSoftLayerは、確実に日本のユーザーに浸透しつつあります。
昨年12月には東京データセンターがオープンし、さらにSoftLayer熱が高まっています。その熱を形にしたのが、2015年2月12日に虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された、日本初のSoftLayer技術カンファレンス「Japan SoftLayer Summit 2015」。入場者数は500人を超えたのも、着実にSoftLayerが日本に根付いている証拠ではないでしょうか。
そこで今回は、大盛況の「Japan SoftLayer Summit 2015」にベアとメタルで潜入。日本のSoftLayer熱をあますところなくお伝えします!
米国SoftLayerエバンジェリストもやってきた基調講演
サミットは10時30分からスタート。まずはこちらの記事でお話を伺った日本IBMのSoftLayerエバンジェリスト、北瀬公彦さんの挨拶から始まりました。
昨年5月に発足したSoftLayerユーザー会は会員数が700人を超え、日本全国で15回のユーザー会を開催。着実にSoftLayerのユーザーが増え、コミュニティが形成されています。東京データセンターの利用率は好調で、1日50〜60台のサーバーのオーダーがあるとのこと。電話やチャットによるテクニカルサポートが日本語にも対応したことで、より日本のユーザーにとって親しみやすくなりました。現在、東京データセンター開設キャンペーンとして、“500ドル割引キャンペーン”を実施中。東京データセンターの月額利用で500ドルまで無償利用ができます。
お次は米国SoftLayerエバンジェリストのフィリップ・ジャクソン氏による基調講演です。20台の仮想サーバーをオーダーするところから講演はスタート。SoftLayerの特長として、仮想サーバーながらもローカルサーバーの延長線上のような使い勝手を実現している点をアピール。また、データセンター内部の話や、もうひとつの特長である豊富なAPIの話などがありました。また、2015年はさらなる“セキュリティの向上”を目標のひとつに掲げているとのこと。
約30分の基調講演の間に、20台の仮想サーバーのオーダーが完了。いかに短時間でサーバーが構築できるのかを証明してくれました。
続いて、世界最大級のモバイル広告プラットフォームを提供するオペラレスポンス社のカンワー・ダリワル氏の基調講演です。
オペラレスポンスは、SoftLayerの前身であるThe Planet時代からのユーザー。6年もの間、SoftLayerを使用してモバイル広告プラットフォームを提供し続けています。
SoftLayerを選んだ理由は、柔軟性とスケーラビリティ。豊富なAPIで必要な機能をさまざまな構成で使うことができる点と、必要に応じてサーバーの増強が速やかにできる点は、他のサービスにはない大きなメリットとなっているそうです。
サポートが迅速なことも重要なポイント。SoftLayerの技術サポートスタッフとは24時間いつでもダイレクトに話すことができるので、急な対応が迫られたときでも安心とのことです(日本語技術サポートは平日9時-17時)。SoftLayerのディープな世界を知ることができる数々のセッション
基調講演は以上で終了。このあとは、2つのメイン会場で合計18のトークセッションが行われました。
SoftLayerの技術的な解説や具体的な事例紹介など、SoftLayerに深く関わる方々が登壇し、非常に濃い話を展開。しかもどのセッションも人がいっぱいで、熱気ムンムンでした。
第3回でお話を伺ったクリエーションライン株式会社 テクノロジー・エバンジェリスト 前佛雅人さんも登壇し、日本ですでにSoftLayerをゲーム基盤として使っている事例を紹介するパネルディスカッションも行なわれていましたよ。
別会場となるミーティングルームでは、SoftLayerのハンズオンを開催。初級編・中級編・上級編があり、実際にSoftLayer上で仮想サーバーを作成しサーバー管理の基礎を学んだり、動画配信についての学習などが行われました。撮影のために部屋に訪れたのですが、まるで受験会場のような静寂が。それだけ、SoftLayerに興味を持っている人が多いということでしょう。
ベアとメタルが企業ブースを視察
セッションを行っている間、ホワイエ(休憩室)では、SoftLayer関連企業の展示が行われておりました。
ベアとメタルも、各企業のブースを回ってSoftLayerを用いた最新のITテクノロジーなどの情報収集を行いました。
入場者にはお水やお菓子が無料で提供されていました。協賛企業のSunDiskのロゴが入ったどら焼きが大人気でしたよ!
Japan SoftLayer User Groupのブースもありました。僕たちはSoftLayerで何か開発をする立場ではありませんが、入会できるのかなー?基調講演をしたお二人にSoftLayerについてインタビュー
数々のセッションが行われている間、基調講演を行った米SoftLayerエベンジェリストのフィリップ・ジャクソン氏(右)とオペラレスポンス社のカンワー・ダリワル氏(左)にお話を伺いました。
ギズモード編集部(以下ギズ):本日は日本初のSoftLayer Summitが開催されました。日本におけるSoftLayerの盛り上がり方をどう感じていらっしゃいますか?フィリップ・ジャクソンさん(以下フィルさん):とてもエキサイティングですね。私自身このようないイベントに携わることができてとてもうれしく思っておりますし、日本の方々に非常に注目していただいているという印象を受けました。ギズ:SoftLayerとしては、日本市場をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。フィルさん:日本は、他のアジアの地域とは違うと思っています。そのため、日本での必要なサポートを考えて、Webサイトの日本語化や日本語のサポートということを徹底して行ない、日本のやり方でビジネスのやりとりができるように注意を払っています。ギズ:SoftLayerを使っているユーザー企業の代表としてオペラレスポンスさんにお越しいただいたわけですが、御社がSoftLayerを選んだ理由はなんでしょうか?カンワーさん:2009年当時、まだThe Planetという会社としてソリューションを提供していたころに契約しました。私どもの会社は起業したばかりだったのですが、そのときに友人から紹介されまして、内容を検討したら我々のビジネスニーズに最適だということで選びました。その後、SoftLayerがThe Planetを買収し、さらにIBMの傘下となりましたが、ほかの選択肢を考える必要はありませんでした。私どものニーズに一番フィットした製品であり、一番フィットした価格であることは今も変わりないからです。ギズ:価格以外で最大の決め手となっているのはどんなところでしょうか。カンワーさん:2009年から使い始めて6年が経過しています。最初は2台のサーバーから始め、現在は175台にまで増えています。そうなると要求されるテクノロジーも変わってきますし、非常に複雑な設定も必要になる。それでも、SoftLayerは高パフォーマンスを維持してくれる柔軟性があるというところですね。ギズ:現在、アメリカにおいてのSoftLayerの知名度や立ち位置というのはどのような感じですか?カンワーさん:知名度は非常に上がってきていると思います。自分たちが使っているということもありますが、口コミで広がっているところもありますし。IBMの傘下になってからはエンタープライズの領域での認知度が上がり始めていると感じます。私どもはSoftLayerのリファレンスとして講演などに呼ばれたりするのですが、従来のユーザー企業と異なる、大企業の方とお会いする機会が増えており、益々そういうことを実感しますね。ギズ:日本の市場でどんな企業に使っていただきたいと思いますか?フィルさん:全部ですね(笑)。現在SoftLayerが強い分野では、ゲーム業界、メディア、ビデオなどのホスティングなどですが、オペラレスポンスのようなモバイル広告も伸びています。日本は特にモバイルゲーム業界が強いので、そのような分野で使っていただければと思います。カンワーさん:ウェアラブルガジェットなどのIoT(Internet of Things)も、成長を遂げている市場ではないかと思います。アメリカ全体を見ても、デスクトップPCは一家に1台ですが、スマートフォンやモバイルガジェット、スマート家電などは一家族で20台くらいになる。そういうものが増えれば増えるほど、サーバーやロードバランサーなどの需要は増えていくので、これから伸びていく業界ではないかと思います。ギズ:今後SoftLayerを通じてどういうことが実現されていくのでしょうか。フィルさん:SoftLayerは豊富なAPIからなるツールボックスを提供していることを特長としています。このツールボックスを使いこなすことでいろいろなことができます。ビジネス上の視点から見ると、高品質を保ちながらコスト管理を行なうことが可能となります。具体的には、ツールを使ってレポートを出すことで、現在のインフラ環境が過剰なのか不足気味なのか、収益の面で充分なのかというところが管理できるため、コストが適正かを見極めながら高品質を維持できるようになります。カンワーさん:私どものようにスタートアップで急成長している企業は、自分たちですべてコントロールしたいと思っていますし、環境の可視化を望む傾向があります。そういう企業にとっては、SoftLayerはとても魅力的です。サーバー管理やマネージメントを外注することはしたくない。私どもは175台のサーバーのセキュリティとモニタリングを一人で行っていますが、それはSoftLayerが提供している自動化の機能があるからこそ、効率的に行えているのだと思います。ギズ:ユーザー企業として、オペラレスポンスからSoftLayerへの要望などはありますか?カンワーさん:今まで通りのやり方を貫いていただきたいと思っています。ホスティングに関しては安定性が重要視されますので、安定した環境を常に提供するという部分は変えてほしくありません。今後期待することは、テクノロジーは進化していくものですので、最先端のテクノロジーを反映する活動は引き続きやっていただきたい。また、満足の行くカスタマーサービスも維持していただきたいですね。ギズ:SoftLayerの今後の展望をお聞かせください。フィルさん:SoftLayerの製品をもっとたくさんの方々に使っていただくことと、認知度を上げていくことですね。また、お客様の展開する事業をサポートするために、データセンターやネットワークの整備を進めていきたいと思っています。ギズ:どうもありがとうございました。
ユーザー会女子部発足! セッション後の懇親会ではライトニングトークも
お二人にお話を伺っている間も、数々のセッションが行われていました。すべてのセッション終了後は、懇親会のスタート。基調講演に登壇したフィル氏と日本IBMの西村さんによる乾杯の音頭のあとは、豪華な食事と飲み物でしばし歓談です。
僕たちもちょっとだけご相伴にあずかりました。おいしい、おいしい!
懇親会では、ライトニングトークも行われました。SoftLayer User Group女子部発足のライトニングトークもあり、ますます盛り上がっていきそうな雰囲気ですね。
インターネット社会を影で支える立役者。それがSoftLayer
「SoftLayer」は、一般の人からは見えないところでインターネットのあらゆるサービスを支えています。仮想サーバーだけでなく、ベアメタル(物理)サーバーも迅速に構築できるという点、豊富なAPIで柔軟な設定が行える点など、さまざまな特長を持っています。
現代は、インターネット社会。パソコンもスマートフォンもタブレットもルーターもウェアラブルガジェットも、とにかくなんでもインターネットにつながっている状態です。
いったい、毎日毎時間毎分毎秒どれだけのデータ量がインターネットの世界を駆け巡っているのでしょうか。
インターネットがなければ生活ができないのではないかというくらい、生活に浸透しています。もはやライフラインのひとつと言ってもいいでしょう。
そんなインターネットの根幹を支えるSoftLayer。実は、僕たちも知らず知らずのうちにお世話になっているかもしれません。
もしSoftLayerに興味を持たれたら、ユーザー会に参加してみてはいかがでしょう。新しいインターネットの世界が見えるかもしれませんよ。
source: SoftLayer , IBM SoftLayer(ソフトレイヤー)IBMの高性能クラウド , IBM SoftLayer 東京データセンターオープン記念キャンペーン
(執筆:三浦一紀、撮影:佐藤哲郎)