クラウド仲間集まれ! 大盛況のSoftLayerユーザー会潜入レポート

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  • author 三浦一紀
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クラウド仲間集まれ! 大盛況のSoftLayerユーザー会潜入レポート

もっともっと、SoftLayerのことが知りたい!

IBMが提供するクラウドサービス「SoftLayer」。前回、実際にSoftLayerを導入しているパイオニアVCさんを取材させていただいたことで、SoftLayerがどんな特長を持つクラウドサービスなのか、知ることができました。

しかし、パイオニアVCさんはあくまでもSoftLayerのユーザー。もっとSoftLayerのことを知るためには、やはりSoftLayerを取り扱うIBMの方に話を聞く必要があります。

そこで今回は、日本IBMのクラウド・エバンジェリストである北瀬公彦さんに、SoftLayerについて、クマやメタル女子のような初心者にもわかりやすく解説していただきました。

仮想サーバもベアメタルサーバも迅速に構築できる

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ギズモード編集部(以下ギズ):今日はよろしくお願いします。まずは、SoftLayerはどのようなサービスなのかを簡単に教えてください。

北瀬公彦さん(以下北瀬さん):SoftLayerはクラウドサービスの中でも、インフラストラクチャーサービスというものになります。サーバ、ストレージ、ネットワークなどのインフラ部分を提供するサービスですね。IaaS型(Infrastructure as a Service)というタイプに分類されます。

ギズ:最大の特長はなんでしょうか。

北瀬さん:ほかのIaaS型のサービスでは、仮想サーバをユーザーに提供するものが多いのですが、SoftLayerは物理サーバ(ベアメタルサーバ)を提供できるというのがユニークな点です。クラウドサービスというのは、Webブラウザやコマンドラインでオーダーをしたら、数十分から数時間という短期間で使えるようになる点ディスクの容量を無制限に増やせるという点が特長です。通常、仮想サーバのみでこのようなサービスを行なっているところがほとんどですが、ベアメタルサーバのオーダーも仮想サーバと同じように迅速にオーダーできるという点がSoftLayerの最大の特長です。

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ギズ:仮想サーバと同じようにベアメタルサーバもオーダーできるというのが特長なんですね。

北瀬さん:通常ベアメタルサーバを注文したら、2週間や3週間かかっていました。ディスク容量やネットワーク、グラフィックのカスタマイズをすれば、その分さらに時間がかかってしまいます。しかし、SoftLayerはオーダーが入るとその場でデータセンターでベアメタルサーバを組み立てて、数時間で使えるようになります。また、カスタマイズされていない標準タイプのオーダーであれば、全自動化されたシステムが用意されているので、ほんの数十分で使えるようになります。

ギズ:仮想サーバでもベアメタルサーバでも、同じような感覚でオーダーができるんですね。

北瀬さん:仮想サーバであれば数分以内にご用意できます。カスタマイズされたベアメタルサーバの場合は人間がサーバを組み立てる必要があるのですが、標準化されたプロセスに従ってセッティングするので、短期間で終了できるようになっているのがSoftLayerの強みですね。

あらゆることを自動化できるAPIが豊富

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ギズ:もうひとつの特長としてAPIが豊富という点が挙げられます。

北瀬さん:現在2000以上のAPIが用意されています。これはほかのサービスと比べても圧倒的に多いと思います。APIを利用することで、あらゆることが自動的に行なえるようになります。サーバやストレージ、ネットワークなどを組み合わせてシステムを構築するわけですが、現在はこれらを自動的に構築するのが主流になっています。APIが充実していると、このシステム構築も柔軟に行うことができるのです。

ギズ:イメージ的にはパソコンの自作を、遠隔操作で専門家にしてもらっているという感じでしょうか。

北瀬さん:そうですね。パソコンの自作にしても、自分でやると結構時間がかかりますよね。ハードディスクやメモリが足りなければ買いに行かなければなりません。サーバも同じで、自分の会社内で運用していると、見積りから実際に使えるようになるまで1カ月や2カ月かかることもあります。しかし、クラウドであればコマンドラインやWebブラウザ、API経由で瞬時に自分の使いたいサーバ環境を構築できるわけです。通常1カ月や2カ月かかっていた時間が、数分から数時間に短縮されるというのが大きなメリットです。

SoftLayerが使われているところとは?

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ギズ:現在、SoftLayerはどのような用途に使われているのでしょうか。

北瀬さん:2013年7月にIBMがSoftLayer Technology社を買収するまでは、ゲームやSNSアプリ、データ計算を行う学術系のハイパフォーマンスコンピューティングなど、比較的パフォーマンスを必要とされるシステムによく使われていました。SoftLayerが提供しているスタートアップ向けの支援プログラム(月額1,000ドル分の無償利用)を利用しているベンチャー企業などが自社のサーバとして利用するということも多くありました。IBMが買収してからは、ハイパフォーマンスな用途だけではなく、いろいろな企業で使われているという傾向があります。

ギズ:何かに特化した使い方というわけではなく、企業サーバの代わりとして導入するところも多くなっているんですね。

北瀬さん:最近では東芝さんYouTubeなども利用されています。もちろん、個人で利用している人もいらっしゃいます。私自身も個人で契約して使っています。

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ギズ:我々がクラウドサービスというと、オンラインストレージのようなものを想像してしまうのですが、SoftLayerはもっと根幹的なサービスです。もしかしたら間接的に我々も使っている可能性があるかもしれませんね。

北瀬さん:一般ユーザーからはあまり見えないかもしれません。しかし、企業の情報システム担当者や、ゲーム会社のシステムアーキテクトといったシステムを支える担当者が、これまでのように自社でサーバを運用するのか、SoftLayerのようなクラウドサービスを利用するのかということを吟味したうえで、SoftLayerを使っているというケースは多いと思います。

高速ネットワークが無料で使えるのもメリット

ギズ:SoftLayerのもうひとつの強みとして、高速ネットワークが挙げられます。

北瀬さん:SoftLayerのデータセンターは世界に15拠点、アクセスポイントが19拠点あります。データセンターとアクセスポイント間は、10Gbpsの専用線で接続されています。しかも、その専用線は複数の回線を束ねたものになっているので、非常時に回線が1本落ちても問題ありません。安心という点と、高速な回線が世界中に広がっているという点がポイントですね。また、他のサービスでは、ネットワークを使用すると料金が発生するところがほとんどですが、SoftLayerの場合はデータセンター間のネットワークの使用料が無料です。

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ギズ:それは企業にとってはコスト削減につながってありがたいことですね。12月22日に東京データセンターがオープンしましたが、東京でのニーズが高かったのでしょうか。

北瀬さん:日本でのニーズは以前からありました。それぞれの業界でいわば業界法とも呼べるルールがあり、日本にデータを置いておくことを求めていることもよくあります。そのため、海外のデータセンターを利用できないという企業もあり、SoftLayerを使いたくても使えないという声がありました。東京でデータセンターができたことで、より日本の企業がSoftLayerを使ったサービスを利用する可能性が増えると思います。12月22日のオープン発表時には10社以上の採用表明がありました。

ギズ:今後、SoftLayerの展望がありましたらお聞かせください。

北瀬さん:先日SoftLayerのCEO、ランス・クロスビーが日本に来ていましたが、彼が言っていたのは、SoftLayerはあくまでもIaaS、基盤のサービスに注力していきたいということでした。そのため、来年以降もデータセンターをさらに世界中に拡張していきます。そのほかは、高速なストレージを用意するとか、APIの整備といった基盤周りに引き続き投資していきます。現在はIBMが買収していますので、SoftLayerの上にIBMのソフトウェアを乗せて、サービスとして提供していくというのがIBMのクラウドの今後の考え方になります。

――SoftLayerは、これまで1カ月以上かかってきたサーバ構築を数時間にまで短縮できるだけでなく、コスト的にも大幅に削減できるサービスということがわかりました。我々が直接使うことはないかもしれませんが、もしかしたら今使っているオンラインのサービスは、SoftLayerによって支えられているものかもしれませんね。

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クマやメタルやメタル女子にわかりやすく解説してくださった北瀬さん、ありがとうございました。

SoftLayerユーザー勉強会に潜入!

北瀬さんのお話にもありましたが、SoftLayerはユーザーの勉強会を頻繁に開催しています。東京を始め、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡で2014年だけで15回ほど開催。東京が一番参加者が多く、毎回100人前後が集まるそうです。

元々、クラウドサービスはコミュニティが大事にされるものなのだそう。ユーザー同士が情報交換や共有をすることは、メーカーのサポートと同じくらい重要視されており、コミュニティが活発だからという理由で企業が採用するということもあるようです。

勉強会では、ユーザーがライトニングトークで自分がSoftLayerを使ってどんなことをしているのかといったことや、SoftLayerの新しい使い方の提案といった、情報のインプットはもちろんですが、その後の懇親会も重要のこと。参加者にはSoftLayerのユーザーだけでなく、企業のマーケティングや営業の方もいるのだとか。懇親会で生まれる交流からビジネスに繋がることも多く、勉強会と同じくらい懇親会も重要なものなのです。

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ということで、12月22日に行われた、東京のSoftLayerユーザー勉強会におじゃましてきました。どんな雰囲気なのでしょう。

今回は年末ということもありかなり盛大に行われています。19組のライトニングトークに加え、忘年会も兼ねた懇親会もあるということで、150人を超える出席者です。

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受付で出席の確認です。「お、お名前頂戴できますか?」と言われましたので、

「ベアです」

「メタルです」

「二人合わせて」

「ベアメタルです!」

と自己紹介をしました。

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まずは乾杯から。この後ライトニングトークが始まります。我々も席についてお話を伺うことに。

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SoftLayerユーザー会の紹介から、開発中のサービスの紹介、SoftLayerの課金の仕組み、SoftLayer API分科会の紹介、SoftLayer上でのミラーサーバ構築術などなど、広範囲に渡るライトニングトークが繰り広げられました。持ち時間は5分という短い時間でしたが、どれも興味深いお話ばかりでした。

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そして当日は、東京データセンターのオープン日ということで、その紹介もされていました。このほか南米やヨーロッパにも続々とデータセンターがオープン予定となっており、ますますSoftLayerの基盤が固まってくることでしょう。

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そのあとの懇親会にもおじゃまさせていただきました。参加されている方とSoftLayerについて盛り上がるなど、とても有意義な時間を過ごすことができました。

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実はSoftLayerのユーザー会、女性も参加しています。運営委員にも女性が2人おりまして、今後は女子部を作ってSoftLayerの活性化を目指したいとのこと。僕たちも陰ながら応援しています!

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そして、2015年2月12日には東京虎ノ門ヒルズフォーラムにて、初のイベント「Japan SoftLayer Summit 2015」を開催することも発表。SoftLayerに関わるコミュニティ、企業、団体、個人が一堂に会し、情報発信や交流を行うことで、日本におけるSoftLayerのプレゼンスの向上、そしてさらなるエコシステムの活性化を目的とした一大イベントです。

現在SoftLayerを使っているユーザーはもちろん、会社などでSoftLayerの導入を検討しているという人、SoftLayer上で動くサービスを開発しているベンチャー企業や個人など、SoftLayerに関するさまざまな人が集まるこのイベント。SoftLayerを使っているけれども情報交換できる相手がいないという人も、SoftLayerの導入を検討しているという人も、訪れれば何か答えが見つかるはずです。

もちろん、SoftLayerユーザー会でも随時メンバーを募集中。勉強会には気軽に参加できるので、WebサイトFacebookグループなどをチェックして、どんどん参加してSoftLayerの輪を広げてみてはいかがでしょうか?

source: IBM SoftLayer(ソフトレイヤー)IBMの高性能クラウド

(三浦一紀)