あれもこれも特許を取ってます。
スティーブ・ジョブズは、1976年にアップルコンピュータを設立してから2011年に亡くなるまでの間、317件の特許を取りました。さらに亡くなった後もジョブズ名義の特許を141件も取っていました。今もアップルは次々と新しい特許を取り続けています。
ギズモード・ジャパンの過去記事を5年分さかのぼったところ、特許取得に関する記事は70件以上ありました。せっかくなので、それらを振り返りながら、アップルの歴史と未来について考えてみましょう。
すでに実用化されている特許
そうでなくては困りますが、すでに製品化されている特許もたくさんあります。たとえば、2012年10月に取った指紋認証＆スマホ決済の特許は、すでにTouch IDとApple Payという形で実用化されています。
また、2013年2月に通称｢iWatch｣と噂されていた特許は、Apple Watchという製品になって店頭に並んでいますよね。
2013年11月に取得した、画面を押す力の強弱でデバイスを動かす特許は、Force Touchのこと。9日に発表されるはずのiPhone6sに搭載される可能性が高いと言われています。
そろそろ製品化しそうな特許
【VR】2012年7月に特許を取った｢5D｣は、仮想現実専用のグローブを作るためのもので、なんと｢電磁力、熱、空気などに対する抵抗を自分で変えることができる｣とか。一体なんなんでしょう？ スーパーサイヤ人にでもなれそうな気配です。
ですが、特許取得から3年経った今、すでに他社からLeap MotionやMagic LeapなどのVRエンターテイメントの技術が製品化されています。動きと映像のインタラクションに加えて、温度や感触まで再現できたらすごいことになりそう。
つい先日アップルがHoloLensのエンジニアを引き抜いたというニュースもありました。VR市場は群雄割拠の時代を迎えていますが、そこはアップル。もしかすると、近い将来に今まで見たこともないようなVR製品の発表があるかもしれません。
【地図】かつて、アップルの地図は本当にひどいものでしたが、今はかなり改良されていています。たとえば、2013年12月に特許を取った地図上にお店の情報などをレイヤー表示する機能は実用化されています。今年の3月には、リアルタイムで位置情報を共有する技術の特許も取っていますし、駅のルート案内はグーグルマップすらかなわないほどの精度の高さです。今後のアップルの地図は、閲覧するだけでなく、よりメディアに近いものとして進化していくかもしれません。
あったら嬉しいけど、まだ実用化されていない特許
【バッテリー系】そろそろ来てほしいのが、ワイヤレス充電ですよね。これに関連して2012年12月に特許を取得しているのが、特定のエリアに入るだけで、スマホやPCの充電ができるという夢のような技術。今年7月に特許を取ったソーラー充電もアウトドア派に嬉しい技術です。でも、実は2011年1月に燃料電池搭載iPhoneの特許も取っていたんです。実現すれば1カ月は充電の必要なしですが、あれから音沙汰なし。何があったんでしょう…？
【防犯・防災】2014年3月に特許申請したのが、暴漢に襲われたときや、急に具合が悪くなったときに助けを呼べる機能です。警察や救急車を呼ぶなら公的機関との連携が必要ですが、防犯なら民間の警備会社と提携すれば実現できそう。高齢化社会になっていく日本としては、具合が悪くなった人の助けになる機能があるとよさそうですね。
【イヤホンを2人で共有】今年の6月には、イヤフォンを2人で共有できる特許を取得していました。2人で音楽を聴けるスマホはマーシャルからも出ていましたが、iPhoneにもほしい！
これ、どうするの？ 謎の特許
取った思惑は分からなくないけど、ちょっと商品化は厳しいかも…、という特許もあります。たとえば、スマートシューズ。これは2013年1月に取得した特許なんですが、正直言わせてもらうと、本気でいらない。フィットネストラッキングは、Apple Watchがあるし、この技術の売りだと言われている｢靴がすり減ってきたらお知らせしてくれる機能｣も、ちょっと微妙です。
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（高橋ミレイ）
