hue、ガジェット好きなら知ってるかと。
でも、未来志向というだけじゃない、今から存分に楽しめる製品だということはあまり知られていないような。そもそも「Philips hue(フィリップス ヒュー)」って何なのかというと、Philipsがつくった1600万色以上を再現できるインターネットにつながる照明。
Wi-Fiにつながることで、今までとはまったく違う多様性を手に入れたわけですが、「ライトリボン」と「ブルーム」という新たな仲間が増え、さらなる可能性をも手にしました。
そんなhueを見ていたら「もっともっと、このhueを拡張したい」という思いがフツフツと。そこで、イノヴェーティヴな空間デザインやオリジナリティあふれる家具制作を手がけるバッタ☆ネイションさんに、「hue」を使った今までにない照明器具の制作をお願いしてみました。
バッタ☆ネイションさんは、兄・岩沢仁さん(左)と弟・岩沢卓さん(右)の兄弟コンビ。SHIFTBRAIN・CINRAのオフィスやエントランス、Rockakuのオフィスのデザインなどを手がけられてきました。実はギズモードのあるメディアジーンのオフィスには、おふたりが手がけたファットなタイヤがついたホワイトボードがあるんです。
今回使っていただくのは、ランプ3つと接続に使用するブリッジという機器がセットになった「Philips hue(フィリップス ヒュー)スターターセット」。ランプは一般的に普及しているE26口金のソケットにそのまま使えて、公式アプリから調光などの操作が可能です。サードパーティー製のアプリを使えばストロボ効果・グラデーションなども自由自在。
それに加え、オプションの「ライトリボン」と「ブルーム」も使用。
「ライトリボン」はテープ型LEDで、はさみで切って長さを調節できるのが特長。ベッドサイドやソファの下に貼ってライティングするといった使い方がメイン。アメリカの若者にはすごく人気なんだとか。
「ブルーム」の方は、直置きタイプ。すでに角度がついているので、壁やさまざまなインテリアに光を当てて使うと楽しそう。
いずれもブリッジがないと調光できないので、スターターセットを購入した上で利用する想定です。
こんな面々を最大限に活かす照明器具をバッタ☆ネイションさんがつくったら、どうなるんだろう。
まず上がってきたのが、いくつものラフ。なかには、漬け物石やコンクリートなどを使ったアイデアも。これを見て、いける!と確信しました。わくわくしながら待つこと数日、ついにできあがったとの一報が。
これが完成品。な、なんだろう、今にも動き出しそうな機能性とキュートさを兼ね備えています。名前は「お散歩ライト -lights around-」(大/小)とのこと。
さっそく届けてくれたお2人。
ではそれぞれ見ていきましょう。
まずはビッグサイズのスタンドライト「お散歩ライト -lights around-(大)」の方から。
スタンドライトの脚が角材に取り付けられています。そして角材には、ヘヴィーデューティーなタイヤが。ポールを持ち上げて角材を浮かせば、片手でも簡単に移動できます。
下部には「ライトリボン」が付けられていて、フットライトの役割も果たします。
ミニサイズのこちらはデスクライトの「お散歩ライト -lights around-(小)」。タイヤではなく、スケートボードのウィールが取り付けられています。
「ブルーム」はその形状ゆえに、今回の制作物には組み込みませんでしたが、こんなふうに観葉植物を照らすととてもフォトジェニック。冒頭の写真のように、狭いところに置いて光を反射させても雰囲気が出るので、ユーティリティプレーヤーとして使えます。
「お散歩ライト -lights around-」(大/小)の使い方は、その名の通り自由自在にお散歩できること。
スタンドライト型の「大」は、冒頭のようなソファサイドにあったと思えば、上の画像のようにベッドサイドに置くことだってできます。
「小」の方は、デスクやテーブルなど家庭内のさまざまなスペースに対応。もう、なんというか、連れて歩きたいくらいのかわいさ。
そして今回、「hue」シリーズを使った今までにない照明器具をつくってみてどんなことを感じたのか、バッタ☆ネイションのお2人に聞いてみました。
ライトのかたちって、とても完成されたものだと思うんです。今回は、あくまでもライトがメインなので主張しすぎないようにということを意識しました。
hueは、操作自体は無線でできるけれども、照明器具って動かないもの、動かさないものという固定観念がある。そこを自由にするのが目的でした。
弟・岩沢卓さん「hue」は照明器具という仕組みはそのままで、変革を起こしたプロダクト。「hue」がある現在というのは、未来へと変わっていくグラデーションの一部だと思います。
太陽光は朝の光、昼の光、夕方の光は色も違うし、部屋に差し込む方向も違う。この器具と「hue」ならそれを擬似的に再現できる。1つの器具だけど、置く場所によって意味が変わってくるんです。
お話を聞いてみて思ったのは、そもそも「hue」登場以前は照明器具を移動するメリットって薄かった気がするということ。「hue」ならば、1600万色以上も表現できる。だからこそ、さまざまな部屋、さまざまな角度で楽しめる可能性を秘めているんだと。
決してキワモノではない、実用性
照明をWi-Fiにつなぐという未来的なプロダクトである「Philips hue(フィリップス ヒュー)」。でも、冒頭でも伝えたように今すぐ楽しく便利に使える実用的なプロダクトなんです。リビングだって、ベッドルームだって、書斎だって「hue」があることで、今すぐに、今までと違う姿が立ち上がってきます。
そのほんの一部をバッタ☆ネイションさんがつくったオンリーワンの照明器具で体験する様子を紹介しますね。
例えば、僕が使ってみて極めて実用的だなと思ったのがプリセットされているライトレシピ。同じ白色でも「hue」はさまざまな色があることを教えてくれます。「本を読む」のレシピなら、読書に最適な柔らかい光に。まるで、紙の温かさを感じられるよう。
一方「集中する」は仕事にぴったりな色合い。
僕は普段自分の家ではほとんど蛍光灯は付けず、白熱灯の明かりで過ごしているんですが、そうするとちょっと仕事をしていてもすぐにだらけてしまうのが嫌だったんですよね。でもhueなら、一瞬で集中できる青白い明かりにできちゃいます。
「くつろぐ」はその名の通り、リラックスできる明かり。就寝前のちょっとした時間にSNSをしているときはこんな明かりがちょうどいいかも。
こんな風に、同じ場所であってもオン・オフどちらの明かりも「hue」アプリ1つでマネージメントできてしまう。これだけでも価値があるといっていいと思います。そのほかにも、「hue」アプリは、タイマー、スケジュール機能、GPSと連動した自動点灯・消灯機能などを備えています。
でも、それだけではないんです。「Goldee」は、ハッとするような景色や絵画の色味にワンタップで変えられる無料アプリ。試してみた様子が上の動画ですが、インターフェースがすごくよくできているのでついイジりすぎてしまいました。
こちらは「Ambify」という、音楽に合わせて「hue」をコントロールしてくれるアプリです。権利の関係で音はカットしちゃってますが、聴いているのはザ・ローリング・ストーンズのライヴ曲。もう、これライヴハウスの照明といってもいいくらい。ぜひ試してほしいです。
ちなみに、特定のメールアドレスからメールが届いたら点滅させる、これからの天気に応じて色を変える、といったことも「IFTTT」というサービスと標準の「hue」アプリを組み合わせるだけで可能です。「IFTTT」の設定は簡単な英語がわかりさえすれば、先人たちがつくった多くのレシピがあるので、まったく専門的な知識は不要。
こんな風に、「hue」はすでにあるアプリやサービスだけでもかなり高度なことが可能で、しかもそれは敷居が高いものではありません。自分の家の照明に「hue」でちょっとした自由を与えてみれば、暮らしが変わるのは間違いなさそうです。
「Philips hue(フィリップス ヒュー) スターターセット」はアップルストア(オンライン含む)のほか、Amazonやコンランショップなどで販売中。「ライトリボン」と「ブルーム」は明日6月5日(木)から全国のアップルストア(オンライン含む)で販売スタートです。
今日の昼には発表会もありました!
本日から「ライトリボン」と「ブルーム」が発売ということで、アップルストア銀座でイベント「iOSで体験する、次世代家庭用照明システム」が行われました。ギズも参加してきましたよ。
まずは「hue」の利用シーンがわかるビデオが上映され、その後、フィリップス エレクトロニクス ジャパンの久保徳次さんが製品を説明。コンセプトや使い方などが語られました。
次いで、照明デザインを数多く手がけてきた中島龍興さんが「カラー照明で生活を楽しむ」というテーマで講演。家庭内でカラー照明を取り入れることの意味や自身のこれまで手かげてきた作品などが紹介されました。
興味深かったのが、日中は高照度で白い光、夕方から夜にかけては低照度で暖かい光にすることで、生体リズムを整えられるということ。
また、長時間の生産的な活動を行なうときは白色光が適していて、リラックスさせるには中時間で白色光とカラー照明を併用したり単色によるカラー照明を利用したりするのがいいそう。さまざまなカラーを組み合わせる照明を使うのは、気分転換したいときやクリスマスやハロウィンといった室内でのイベントのときなど、短時間にとどめることで非日常感を演出できるようです。
会場内はリビングを模したセットもあり、「hue」シリーズを実際に触ることもできました。そのほかのイベント、会場の様子は下記ギャラリーでどうぞ。
source: Meet hue | ja-JP
(松葉信彦)