こんなところにもIBM、高性能クラウド「SoftLayer」はゲーム業界注目の的!

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  • author 三浦一紀
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こんなところにもIBM、高性能クラウド「SoftLayer」はゲーム業界注目の的!

これからのゲーム業界を変えるかも。

IBMが提供するクラウドサービス「SoftLayer」。その概要を知るために、実際にSoftLayerを利用している企業や、IBMのエバンジェリストへのインタビューを行ってきました。

この2回のインタビューで、僕らはSoftLayerがどんなサービスなのか理解することができました。

簡単に言えば、世界20カ所のデータセンターを高速ネットワークで接続し、安全かつスムーズなネットワーク環境を使った高性能なクラウドサービス。仮想サーバだけでなくベアメタル(物理)サーバが選択可能、2000を超える豊富なAPIという大きな特長を持っています。

とはいえ、僕らが直接SoftLayerを見たり触ったりすることはあまりありません。見えないところで企業などのネットワーク基盤を支える、縁の下の力持ち的な役割を行うのがSoftLayerなのです。

しかし、前回エバンジェリスト北瀬さんにインタビューをしたときに、僕らの琴線に触れたキーワードがありました。

ギズ:現在、SoftLayerはどのような用途に使われているのでしょうか。

北瀬さん:2013年7月にIBMがSoftLayer Technology社を買収するまでは、ゲームやSNSアプリ、データ計算を行う学術系のハイパフォーマンスコンピューティングなど、比較的パフォーマンスを必要とされるシステムによく使われていました。

ゲーム? ゲームなら僕らにも馴染み深いもの。特に最近ではスマホの普及により、ネットワーク接続を前提としたスマホゲームが人気となっています。

もしかしたら、もうすでに日本でSoftLayerを使ってゲームを開発しているところがあるかもしれない。そう思いいろいろ探した結果、SoftLayerを活用したゲーム開発を行っている会社があると聞きつけました。それが、ゲーム開発会社のガルチさんと、クラウドプラットフォーム構築・運用サービスを提供するクリエーションラインさん。この2社がタッグを組み、SoftLayerを使ったゲーム開発を行っているというのです!

ということで、さっそく突撃インタビューを敢行しました。

SoftLayer上で稼働しているゲームをプレイ!

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まずは、現在ガルチさんが制作しているSoftLayerを使ったゲーム「GG Football Game」のデモを見せていただきました。

実はこれ、IBMさんが公開しているゲーム業界向けWebサイト「GG」というサイトで公開するためのゲーム。SoftLayerがゲーム開発に適した使いやすい環境であるということを伝えていくために、実例として制作しているものです。ロボット対ロボットのサッカーゲームで、スマートフォンでプレイするよう開発されています。

ルールはいたってシンプル。ユーザーがそれぞれプレイヤーとなり、5対5、10対10、20対20のそれぞれの対戦ルームに入りプレイします。もちろん、自分でルームを作成して友人などを招待してプレイすることもできるようになるそうです。

リアルなサッカーゲームというわけではなく、ロボットのキャラクターがテコテコと動いていて、かわいらしさを感じさせてくれます。まだ公開前でしたが、動きはいたって滑らかでした。

このゲーム、GGで公開されたら無料でプレイできるようになるそうです。楽しみですねー。

SoftLayerでゲーム開発をする男たち

それでは、みなさんのお話を伺いましょう。

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(写真左から)

株式会社ガルチ CFO 古川賢太郎さん

株式会社ガルチ 代表取締役社長兼CTO 茶谷修さん

クリエーションライン株式会社 代表取締役社長 安田忠弘さん

クリエーションライン株式会社 テクノロジー・エバンジェリスト 前佛雅人さん

ギズモード編集部(以下ギズ):先ほど見せていただいたゲームですが、コンセプトはどういうものでしょうか。

茶谷修さん(以下茶谷さん):グローバルです。フットボールだったら世界中の人が知っているだろうし、ルールが単純なのでシンプルにすることもできます。キャラクターデザインがロボットなのも、近未来的で無国籍なイメージを出したいと思って採用しました。また、キャラクターのモーションは外国人のスタッフが担当しています。

ギズ:今回、ガルチさんとクリエーションラインさんは、それぞれどのような役割を担っているのでしょうか?

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安田忠弘さん(以下安田さん):ガルチさんがゲーム部分を制作して、我々がインフラ部分、サーバやネットワークの構成、運用管理をさせていただいております。今回は、ゲームを動かすためのさまざまなサーバをすべてSoftLayer上で構成しています。現在はすべて仮想サーバです。

ギズ:現在は公開前ですので、サーバにそれほど負荷はかかっていない状態ですね。

安田さん:今後アクセス数が増えてきた場合には、ベアメタルに移行してパフォーマンスを上げていくことも視野に入れています。

ギズ:実際にSoftLayerを使ってみてどのような印象をもたれましたか?

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前佛雅人さん(以下前佛さん):私は前職はデータセンターでサーバを管理していました。そのときの知識が使えたという印象があります。クラウドだからといって特に構えず、これまでやってきたことをそのままできたというところが大きいと思います。個人的にAPIが充実している点に注目しています。ネットワーク上でサービスを展開するとき、セキュリティなどを考慮しなければなりませんが、必要な選択肢がはじめから揃っていて非常に充実していますね。

ギズ:SoftLayerのもうひとつの大きな特長として、データセンター間のデータ通信量が高速で、かつ無料であるということも挙げられますが、この点はどうお考えですか?

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茶谷さん:とても安心感があります。我々の制作しているゲームの大半が、必ずクラウドのネットワークを利用するものばかりなんです。通常ゲーム制作では、クライアントサイドとサーバサイドでそれぞれエンジニアをつけてワンパッケージで行っていました。今回は、サーバ関係をクリエーションラインさんに行っていただくことで、従来とは違う制作体制になっています。

安田さん:SoftLayerに関してのノウハウは、いろいろ経験させていただいていますし、今までクラウド構築で培ってきたノウハウが活かされるので、SoftLayerに関してもスムーズに展開することができました。

茶谷さん:SoftLayerに関しては、ゲーム業界の人たちはものすごく興味を持っています。現在、一般的に使われているクラウドサービスはインフラ自体が枯れてきて、安定した部分があります。しかし、逆に言えばこれから先は発展が望めないというところもありまして。ゲーム業界の上のクラスのエンジニアは、その辺りに危機感を持っている人間が非常に多い。しかも、今までクラウドサービスは仮想サーバがメインでしたが、SoftLayerはベアメタルを使えるということで、よりクライアントに対しても正確な金額で見積もりを出しやすかったり、提案がしやすいというメリットもあるので、試せるものなら試したいと思っている企業は多いのではないでしょうか。

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古川賢太郎さん(以下古川さん):実際、他社のクラウドサービスはベストエフォートになりがちなので、大きなタイトルを抱えているメーカーであればあるほど、自分のところでサーバを立ち上げるという選択肢しかありません。自分でサーバを立ち上げればそれはリスクになります。しかし、SoftLayerでベアメタルが選択できるとなると、パフォーマンスを出さなければいけない場面ではベアメタルを利用するというように、期間限定で使うということも選択肢になり得るわけです。ゲームにおける収益性という面でも、データセンター間の通信料が一定額で抑えられるという部分は、コストが見えやすい。そういった点で、ゲーム業界では非常に注目されています。

ギズ:開発のしやすさというところはいかがですか?

古川さん:開発現場サイドでの大きな違いは現在の段階では出てこないと思うんですが、これが大きなタイトルになって開発拠点が複数に分散して、そのなかで同期させながら開発するというときに変わってくると思います。これからのゲームマーケットは、国内のリリースだけではなく海外も視野に含めています。そうなると、データセンター間の通信料が一定額で、しかも高速であるというところがとても大きなポイントになりますね。

東京データセンター開設のメリットとは?

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ギズ:東京にデータセンターができましたが、それはビジネス上やゲームを展開する上で関係してきますか?

茶谷さん:国内のゲーム業界にとっては、ものすごく関係してきます。一番影響するのはプレイの感覚ですね。データセンターが国内にあるのと海外にあるのでは、ゲームのプレイ感覚が変わってきますので、とても歓迎されることだと思います。

前佛さん:海外のサーバに接続してプレイすると応答時間が60msや100ms(ms=ミリセカンド、1000分の1秒)になってしまうこともありますが、国内であれば一桁台になります。この差は体感でかなり変わりますね。また、国内のデータセンターをメインで運用しても、万が一に備えて海外のサーバにバックアップを用意しておかなければなりません。それがSoftLayerにより簡単になりました。定期的にデータを同期する必要があるため、通信コストがかさむのですが、SoftLayerはデータセンター間の通信が無料なのでコストが見えやすくなりました。

ギズ:現在はゲームを国内だけではなく海外でもリリースする流れになってきているとなると、海外のサーバ連携がしっかりしているところが使われるようになるという感じでしょうか。

古川さん:最初は先進的な会社が使ったり、新しいプロジェクトからという感じになると思うんですけど、今後認知度が上がっていけば、国内のビッグタイトルがインフラをSoftLayerに切り替えるようになってくるのではないでしょうか。そうなると業界全体が変わってくると思います。現在は、まだメーカーのトップクラスが認識したというところだと思うので、実際エンジニアリングをするところが計画段階で選択していくのは、これからではないでしょうか。

茶谷さん:その大きなきっかけになるのが東京のデータセンターだと思いますね。

古川さん:あとはサポートですね。サポートが国内で受けられるというのは、使う側、特にエンジニアリングしているチームには重要だと思います。

茶谷さん:我々ゲームをサービスしている側からすると、プレイヤーさんから質問やクレームが来たら、24時間以内に対応しなければならないという決まりがありますので、サポートのスピードは重要ですね。

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ギズ:日本にデータセンターができたり、我々が前回取材したユーザー会といったコミュニティを作られ、そのコミュニティ主導で2月に開かれる「Japan SoftLayer Summit 2015」を支援したり、「GG」のような情報発信の場をつくったりと、IBMさんが率先してやっていらっしゃいますが、そういう取り組みはどのように感じていらっしゃいますか?

安田さん:私共も技術情報は積極的に出すようにしています。まずはきっかけ作りが必要だと思うんですね。まず、我々がSoftLayerのさまざまな機能を使ってみて、実際にこういうことができるということを確認して周知する。そして興味を持った方がSoftLayerを使ってみようとするときに、プロフェッショナルの力が必要になることも当然あると思うんです。そういうときに、我々はSoftLayerの情報を発信することによって、お声がけしてもらえるようになる、という流れを作りたいなと思っています。コミュニティはひとつの場だと思いますし、我々はそのコミュニティで技術情報や実績を発表していくことにより、ユーザーが増えて、コミュニティも盛り上がるし、結果的に我々のビジネスも盛り上がる。コミュニティとはそういうものだと思っています。

茶谷さん:ガルチというのは、古くからビデオゲームを制作したメンバーが設立した会社です。ゲーム開発の現場というのは、あまり技術を表に出さない文化がありまして。自分たちで抱え込むことがほとんどでした。現在はサーバクライアントシステムでクラウドを使ってゲームをリリースしているのですが、そういう状況では結果としてSoftLayerのようなインフラを扱っていくことになります。となると、インフラそのものが成長していただかないと、我々も利益にならない。そういった意味で、みんなで協調しあって、それを育てていきましょうという流れが大きいですね。

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ギズ:現段階では、ガルチさんとしてはSoftLayerは好感触であると。

茶谷さん:はい。将来の話をさせていただくと、ベアメタルサーバ上で動くGPUに物理演算をさせる、いわゆるGPGPUを使ったり、クラウドゲームにクラウドのGPUを使ったりすることも全世界で行えるようになっていますので、日本国内でサービスを閉じるのではなく、世界各国の人たちと映像を共有したり、何かしらCGでレンダリングしたものを送り合うとか、そういったことにも使えるのではないかと思っています。

古川さん:今後、リッチな3Dコンテンツというのがどんどん立ち上がってきますが、そのコンテンツを全部ダウンロード型でやるととても端末には収まりきらない。そうなると、オンラインでデータを公開し、そこにアクセスしながらプレイするというスタイルのコンテンツが出てくるはずです。そうなると、リアルタイムでユーザー同士がお互いのパラメーターを渡しあって、そこで新しくレンダリングされた3Dのキャラクターが配信されるというようなことが、今後は増えてくると思います。そのような要求に、既存のクラウドサービスが耐えられるのかというと難しいと感じています。

茶谷さん:今後、回線そのものの速度も劇的に上がっていくと思うんです。そのために我々は準備をしているんですけれども、そこに耐えられるのがSoftLayerじゃないかと思っています。

古川さん:もっと言うと、今までのスマートフォン用ゲームなどはデータ量が少なく手軽なものが多かった。しかし、今後インフラや回線がレベルアップしていくと、かつてコンシューマー向けやアーケード向けに作っていたリッチで複雑なゲーム性のものというもの、配信できることができるんじゃないかと。そのときにインフラの選択肢としてSoftLayerは入ってくると思いますね。

お話を聞いてみて

ベアメタルも選択できる柔軟なサーバ構成、予算が見えやすいデータセンター間のデータ転送料金無料サービス、そして東京にできたデータセンターによる信頼性とレスポンシビリティといった点が、現在のゲーム業界にマッチしているというのが、ガルチさんとクリエーションラインさんの見解です。

お話を聞いていて、もしかしたらSoftLayerが広く使われるようになることで、今までにないスマートフォン用ゲームやオンラインゲームが生まれてくるかもしれないと、思わずワクワクしてしまいました。

なお、今回ご紹介したサッカーゲーム「GG Football Game」は、「GG」で公開される予定です。公開されたらぜひプレイしてみてください。シンプルなのに熱くなるゲームですよ!

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当然僕らもプレイさせていただきました。シンプルなんですが、とてもおもしろい!

円形のフィールドにかわいいロボットのキャラクターがちょこまか動いていて、思わずやり続けてしまいますよ。

2月12日虎ノ門ヒルズフォーラムでJapan SoftLayer Summit 2015開催

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ゲーム業界の将来を担うかもしれないSoftLayer、興味を持たれた方もいるかと思います。そんな方は、2月12日(木)、東京虎ノ門ヒルズフォーラムで開催される「Japan SoftLayer Summit 2015」に訪れてみてはいかがでしょうか。

前回インタビューにご登場いただいた、エバンジェリストの北瀬さんをはじめ、今回お話を伺ったガルチの茶谷さん、クリエーションラインの安田さんもカンファレンスやパネルディスカッションに登場します。

また、米SoftLayerのエバンジェリスト、フィリップ・ジャクソン氏の基調講演や、ライトニングトークなど盛りだくさんな内容となっています。

ゲーム業界はもちろん、あらゆるネットワークサービスの基盤を支えるSoftLayer。この機会に、触れてみてはいかがでしょうか。

それでは最後に、恒例の記念撮影です! ハイ、ベアメタル!!

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source: IBM SoftLayer(ソフトレイヤー)IBMの高性能クラウドGG | Good Game presented by IBMGG SoftLayer技術文書Japan SoftLayer Summit 2015

Special Thanks: ガルチクリエーションライン

(三浦一紀)