これ、作ってもらいました。
デジタルの疲れ目や炎症に効く目薬としてあたらしく発売されたロートの「デジアイ」。初音ミクと全面コラボしたパッケージデザインと、スマホアプリを使ってそのパッケージ上でのARライヴが見られることで話題の目薬です。
もちろんデジタルの疲れ目や炎症に効く目薬ですから、スマホやパソコンと接している時間の長い人にはもってこいなんです。実際の目で起こっているかはわかっていませんが、ディスプレイから発せられるブルーライトが目の組織代謝に必要な(※1)活性型ビタミンB2(※2)を分解してしまうことが研究室での研究結果でわかっています。
もしも実際の目でも同じようにビタミンB2の分解が起こっているとしたら、そのビタミンB2を最大濃度配合(※3)したデジアイが、ビタミンB2を補給する手助けをしてくれるかもしれません。
僕らはほぼパソコンで仕事をしますし、そうでなくてもスマホが手放せない今のライフスタイルのなかでは「待ってました」ってくらい、いや、むしろなんで今までなかったんだろう?とすら思います。
そんなデジアイも熱心に仕事するあまり、目が疲れているのにさすのを忘れていたら宝の持ち腐れ。そこである程度の時間パソコンで仕事をしたら、デジアイの存在を気づかせてくれるガジェットを作ってしまうことにしました。「ほら、目が疲れていたらデジアイをさしたら?」と。それが冒頭の動画のガジェット。
とは言っても、僕らに技術はありません。なので、手芸と電子工作を組み合わせた「テクノ手芸」で作品制作やワークショップなどを行っているアートユニット「テクノ手芸部」さんに制作を依頼しました。結果的にすごくいいものを作っていただけましたよ。
これを作ると決めてすぐさま連絡して、さっそく打ち合わせに。
デジアイが飛び出すiPhoneスタンドを作る
制作を思いついてここまでわずか数日。こちらがテクノ手芸部のおふたり、写真右側、手前の女性がかすやきょうこさん、奥の男性がよしだともふみさん。おふたりともやわらか〜いお方です。
編集長の尾田も交えて、さっそく、ことの経緯を説明。やりたいことを詰めていきます。
「集中してるときにもしっかり気づかないといけないから派手めのものを」
「でも普段は自然にデジアイをデスクに置いておきたいですよね」
「あとタイマーも実装する必要がありますね」
「それならiPhoneと連携させてしまいましょう。アプリでなんとかなります」
「接続はBLE(Bluetooth Low Energy)でできますよ」
「じゃあデスクに置くiPhoneスタンドにしちゃうっていうのはどうでしょう」
「スタンドに立ったiPhoneでタイマーを動かして、時間が来たら」
「横のデジアイが、ばーん!って飛び出すとか」
「できるんですか?」
「できますよ」
テクノ手芸部のおふたり、いつも拝見するふわっとしたやわらかい雰囲気の作品とはまた打って変わった心強さです。
よしださんはその場でもう作品のスケッチをさらさらと。すごいなぁ。
数日後…
こちらはテクノ手芸部さんのオフィスで製作中の写真。寸法を合わせてデジアイ専用iPhoneスタンド(ただしiPhoneとBLE連携してデジアイが飛び出す仕掛けありの特注品)を作っていきます。
同時に具体的なラフ案を頂きました。こういうの見てるだけで不思議とワクワクしてくるんですよね。ものづくりっておもしろい。
そしてまた数日が経ち、テクノ手芸部さんからデジアイ専用iPhoneスタンド(ただしiPhoneとBLE連携してデジアイが飛び出す仕掛けありの特注品)ができあがったとの連絡が!
というわけで、もういちど…
おふたりに来社いただきました
満面の笑みから出来のよさが想像できます。
じゃあさっそくお披露目しましょう。
これがデジアイ専用iPhoneスタンド(ただしiPhoneとBLE連携してデジアイが飛び出す仕掛けありの特注品)!
名前、そろそろ長いので、テクノ手芸部さんに「ねえねえ目薬さしなよ機」と命名していただきました。きょうこさんによると「目薬さしなよって思いやりの割には勢い余ってちょっとクール&恐いところが持ち味」とのこと。あーわかる。すっごい伝わってくるいい名前。
この「ねえねえ目薬さしなよ機」は、大きく2つの部分で構成されています。向かって右側はiPhoneスタンドの部分。くぼみにiPhoneを立てるスタイルです。手前のところにある黒い部分はデスクに座った人を検知する距離センサー。
そして左側はデジアイを置いておくための場所。このままAR LIVE用のアプリ(App Store, Google Play)をダウンロードしてスマホをかざせばAR LIVEを楽しむためのスタンドにもなるってわけです。シンプルだけど考えられてるでしょ? そしてこの部分は同時に、デジアイを射出するための発射台にもなります。
そしてパッケージ内部にはデジアイを射出するための仕掛けが詰まっています。今回の制作でいちばん大変だったのはこの部分だったとのこと。
このパッケージサイズのなかに射出するメカニズムを詰め込み、さらにその衝撃に耐えうる強度を兼ね備えたものでなければならなかったため、内部のフレームは頑丈な金属製。この削りだしに制作の多くの時間を使ったのだとか。
デジアイを射出する仕組みを細かく説明しましょう。デジアイはこのゴムの反発するちからに押し出されて飛んでいきます。かなり弾力のある強いゴムです。
ゴムの上にデジアイをこのように設置します。
正面から見るとこんな感じ。
そのままデジアイのあたまをぐぐーっとちからを入れて押し込んでいきます。このゴムかなりつよい。
ぐぐーっとデジアイに押されて下がってくるゴムの下には、金属の輪っかが付いていて、これもいっしょに下がってきます。
そして、下がってきた輪っかを固定用のネジに通して、反発するゴムのちからをせき止めます。ここに引っかかっている間、デジアイが飛び出すことはありません。これでハードウェア的には準備完了。
そしてデジアイが飛び出す瞬間に仕事をしているのが、ネジのさらに下に設置されている回転式のネジ。こいつがiPhoneからBLE経由で信号を受け取って動いたモーターの力で回転することで、輪っかを引っかけ用のネジから外し、力を解放されたゴムさんの反発でデジアイを飛ばすという運びになっております。
ソフトウェアは今回のために作ったプログラムを「konashi.js」というiPhoneアプリを使って走らせます。タイマーの時間や距離センサーが反応する距離の閾値、発射台の傾きなどを数値で設定可能です。立ち上げると「ねえねえ目薬さしなよ機」とのBLE接続をはじめスムーズに繋がります。
そして、テクノ手芸部のおふたりから丁寧に使い方をレクチャーしてもらい、実際に使ってみたのが冒頭の動画というわけです。
いつもの僕のようにとても集中しているときでも、AR LIVEのステージだった部分が発射台へと生まれ変わり、デジアイが射出されればそりゃ気づきます。
そこから華麗にキャッチを決めてデジアイを点眼し、目の細胞修復を助ける(※1)活性型ビタミンB2(※2)を補給します。
まだこの「ねえねえ目薬さしなよ機」を導入して日の浅い編集部ですが、これから長い間お世話になろうと思います。何かあったらテクノ手芸部さんがいつでも連絡くださいと言ってくれているので、甘えてしまおうかと。
これでまたネットを見る時間とアニメ見る時間が増えるなぁ。いつでも見られるとはいえ、デジアイのパッケージ上で見られるARライヴもまだ見られてないから時間つくって見ないとだし。どんどん見たいデジタルコンテンツは増えますが、ここはデジアイに甘えるということで…。
source: ロート デジアイ
(鈴木康太)
※1:角膜の組織代謝を促進し、修復を促す※2:フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム
※3:一般用眼科用薬製造承認基準の最大濃度配合