静止画も動画も1台で、という人に。
キヤノンは、光学20倍ズームレンズを搭載したコンパクトデジカメの新機種「PowerShot SX280 HS」を発売します。25〜500mmの光学20倍ズームですが、サイズはコンパクト。片手で気軽に持っていくことができます。
試作機をお借りすることができたので、簡単にレビューをしてみたいと思います。
最近のコンデジでは、タッチパネル搭載でボタン類が少ない機種が増えていますが、SX280 HSはモードセレクトダイヤルやマルチファンクションキーなどを搭載し、カメラとしての存在感があります。個人的にはタッチパネルよりも、ボタンで機能を選んでいくタイプのほうが使いやすいかなと感じます。
液晶画面は発色がよくきれい。また、このボディにGPSやWi-Fi機能を搭載。Wi-Fi機能を使えば、各種SNSへの写真アップロードやパソコン、スマートフォンへの転送などが手軽に行えるようになります。
ボディは薄型。電源オフの状態ではかなりコンパクトです。
電源を入れるとレンズが繰り出します。これは最広角端の25mmの状態。
こちらは最望遠端の500mmの状態。結構レンズが長くなるので撮影の際には注意しましょう。
光学20倍ズームの威力はかなりのもの。まずは最広角端。
こちらが最望遠端。
こんなにアップにできるんです。これだけ広い焦点距離をカバーしていると、1台でどんな状況でも対応できますね。荷物を極力減らしたい旅行時などに重宝します。
デジタルズームと兼用すると最大40倍までズーム撮影が可能。1000mm相当になりますが、画質は多少落ちるので非常用と考えておいたほうがいいかもしれません。
今回試作機のため画質の評価はできなかったのですが、ちょっと撮影したところ、カラーバランスがよく、安心して使える画質だと思いました。鮮やかだけど嫌味のない色味で、万人受けするタイプじゃないでしょうか。
手ブレ補正は光学補正と電子補正を組み合わせた「5軸手ブレ補正」を採用しており、平行、水平、縦回転などあらゆる方向の手ブレを軽減します。これは使ってみてかなり実感できました。片手でラフに撮っても、割りと手ブレしませんでしたね。
AFスピードが速く、撮影のストレスになることは皆無。また、1210万画素のフル画素で約14コマ/秒の連写ができるので、シャッターチャンスをものにする可能性が格段に高くなります。コンデジでこれだけの機能が詰まっていれば、かなりグラグラきちゃいます。
なお、SX280 HSは動画に強いのがウリ。新映像エンジン「DIGIC 6」は、この機種でデビュー。動画画質の向上がメインとなっています。フルHD 60pのMP4形式に対応。また、手ブレ補正機能の進化により、歩きながらの撮影時などの手ブレもかなり軽減されています。
動画もまだお見せできないのですが、撮影した感じでは、画質はかなりよいと感じました。DIGIC 6の鮮やかな発色で動画撮影をすると、臨場感が高まりますね。ただし、レンズのズーム音が大きく、動画撮影中にズームをすると、かなり駆動音が入ってしまいます。
その他新機能として、静止画撮影時にシャッター直前の4秒間の動画を同時記録し、1日ごとにダイジェスト動画を作成してくれる「プラスムービーオート」を搭載。自動的に動画日記が作成されます。
見た目は普通のコンデジですが、中身はかなり革新的。静止画も動画も高画質で、という欲張りな人でも満足できるはずです。
発売は4月25日、価格はキヤノンオンラインショップで3万2980円となっています。ゴールデンウィークのパートナーとして最適なコンデジかもしれませんよ。スペシャルサイトでは手ブレ比較などの動画も公開されているのでチェックしましょう。
PowerShot SX280 HS スペシャルサイト[キヤノン]
(三浦一紀)