AR三兄弟をご存じですか?
数々のAR技術を世に送り込んでは、新しいことにチャレンジしていくAR三兄弟。先日もメディアジーンの媒体を見るためのARシステムを作ってくださったり、様々なAR活動をされています。
そして、今回ギズモードで、このARのエヴァンジェリストともいえるAR三兄弟にインタビューしました。インタビュー中に突然「ギズ限定のARとか作ってくれませんか?」という問いかけにも二つ返事でOKくれるAR三兄弟の懐の深さにも感謝しつつ、記事の最後には「これならできるAR」システム(誰でも簡単にできるARシステム)をギズモード限定で公開します!
インタビューを読み終わったあとに試すとおもしろいですよ。
僕はデザインからスタートして、DBとかプログラムとかできるようになって、広告の仕事なんかも手がけてましたね。そんな中本社から「未来のミシン」を作りたいから、考えてくれって言われて、色々作っているうちに特許取ったりしてました。他にも、今、mixiやtwitterが陥ってる問題として負荷分散があると思うんですけど、僕たちも「世界中の人達が作ってるサービスをどうやって負荷分散するか」というシステムを作ったりして、あの会社内では、特別な位置になっていました。
そんなことを色々やってるうちに、もうメーカーの仕事はだいたいやったので、好きなことやろうと。
いちる:人生どうなるか分からない感じですね(笑)長男:ほんとにそうですね。仕事も取らない限り無いので、時間はあったんです。そうやって探求してるときにこれはいいなと思ったのが「AR三兄弟」です。そこまで進歩したら、一般にも浸透していくんじゃないでしょうか。昔テレビとかって、見ててすごいと思って、感動するもの流しても、たぶん興ざめしてたと思うんですよ。今のARはそんな状況で、これから「泣かす」ことができるんじゃないかと思っています。
いちる:ARってデバイスが問題になることがありますけど、ニンテンドー3DSでその問題も解決しそうですよね。長男はどうですか?長男:ギズなんで、未来の話をすると、ARはマーカーがいらなくなると思います。僕らもマーカーがないものを作れるんですけど、老人とか子供とかが、何かここに出てくるんだなと目印として意識させれば、まずARと分かりやすいですよね。でも、ある時点でマーカーという補助輪を外してしまえば、ARだと分かってくれるんですよね。ちょっと先の話ですけど、僕は、ARは社会インフラになって使われると思ってます。この前放送作家の小山薫堂さんと対談したんですけど、その時に話してたのは、薬の処方箋でARを使えば、その病気の人に何に注意するだとか、薬をいつ飲むだとか、生活の中で必要なものとしてARが使われるようになれば浸透ラインだと思います。それをみんなが使えるようになるには、ここに何か出るんだと理解してもらえないとだめなんですよね。いちる:なるほど。QRコードに似せてるのはなにか意味があるんですか?長男:QRコードというよりは、角張ったものというのは意識してます。QRコードと似てるんですけど、結構違ってて、QRコードは2次元バーコードでその中にデータがありますけど、ARはデータを取り出すものなので、あえてQRコードよりもシンプルなのに複雑なものが出てくるのが面白いと思ってます。いちる:へーわざとやってるんですね。長男:えぇ。わざとやってます。そしていつかARマーカーはなくなりますね。いちる:なるほど。ちょっとお願いなんですけど、ギズ読者のためにオリジナルARシステムを提供してもらうことって可能でしょうか?長男:そうですね...。プログラムを書いてもらうのは大変なので、誰でもできるARを配布するというのは可能です。いちる:ほんとですか? ありがとうございます! これはちょっと楽しみだなぁ。長男:ライセンス的にも商用利用しなければ誰でも使って大丈夫なはずですよ。いちる:ほんとにありがとうございます! 感謝です!以前、神戸大学の教授をされている塚本昌彦さんというウェアラブルコンピューティングの権威の方が、僕の講演に来たことがあったんですけど、近づいてくるのがもうロボコップにしか見えなくて、明らかに未来から来たなと。
そういう最先端のものって、一般の認知が進むまではどうしても怪しく見えてしまうんですよ。ブレイクポイントになると思うのは、メガネのような形状で、網膜に自然に情報を照射するというものが年内に発売されるらしいんですが、それが一般性が帯びてきたら先に行ける気がするからなんですけど。
いちる:なるほど。年内に出るんですか。ちょっと欲しいですね。何かいまここで体験できるARってありますか?長男:今メディアジーンさんと作ってるARシステム(AR CHANNEL)があるので、それをやってもらいましょうか。AR三兄弟:あり(AR)がとうございました!
さぁ、「これならできるAR」の公開です! AR三兄弟から特別にいただいたこのARシステムは、簡単に誰でもARが楽しめちゃうものになっています。
一からARをプログラムするのではなく、ARとはこういうものだということを知るためのたたき台としても十分な完成度です。こちらからダウンロードしてください。使い方を以下に記載しておきますが、ライセンスについても書かれているREADMEを必ず読んで下さいね。
使い方
1.marker.pdfを印刷します。2.Main.swfを開きます。(ブラウザにドラッグ&ドロップ等)
3.カメラを認識した後、マーカーをかざすとデフォルトの画像が表示されます。
4.表示物を変更したい場合、imageフォルダにファイルを入れます。
5.dat.xmlの各タグの値を変更すると、表示したいものや、位置や大きさを変更できます。
<filetype>表示するものを画像か動画か設定する。画像の場合はimage
動画の場合はvideo
<filename>読み込むファイル名。
画像の場合の拡張子は、.png .jpg .gif
動画の場合の拡張子は、.flv .f4v
に対応しています。
<width>表示物の横幅です。(単位はピクセルです。)
<height>表示物の横幅です。
<positionX>マーカーを支点としたX位置
<positionY>マーカーを支点としたY位置
<positionZ>マーカーを支点としたZ位置
<rotationX>X軸の回転の値
<rotationY>Y軸の回転の値
<rotationZ>Z軸の回転の値
・ARToolkit関連のライセンスに関するお問い合わせ
ARToolworks社 日本代理店 株式会社エム・ソフト
http://www.msoft.co.jp/artoolkit/
[ALTERNATIVE DESIGN , AR CHANNEL]
(大野恭希)
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