祝・創業100年! IBMがこの百年で実現した9大技術

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  • author satomi
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祝・創業100年! IBMがこの百年で実現した9大技術

あらゆる技術の大進歩の影にIBMあり。その影響力ははかり知れません。

IBM誕生100周年(米時間6月15日)を記念して、毎日お世話になってる技術の中からIBMが関わった9大技術を集めてみました!

1. パソコン

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IBMが生まれてなかったら今ごろ誰もコンピュータなんて使ってなかったはず。最初期の原始的なナンバークランチャー(計算機)から大量生産型マシン、パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータに至るまで、IBMは巨大なコンピューティング新潮流の開発・進化には欠かさず重要な役割を果たしてきました。コンシューマ向けマシンはIBMの前から他にもあったし、IBM後にはAppleとMicrosoftが新たなレベルに引き上げたのも確かですけど、世界がこのナードなボックスの正体に本当に目覚めたのは、1981年のIBM 5150登場の時が最初ですよね。1982年当時、あれはまさにタイムマシンでした。

2. レーシック手術

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1981年にUVエキシマレーザを買収したはいいけれど、それで何をやったものやら...。考えあぐねたIBMのSamuel BlumさんとRangaswamy SrinivasanさんとJames J. Wynneさんの3人は、とりあえずSrinivasanさんが会社に持ってきた感謝祭の残り物の七面鳥にレーザーを当てて、どうなるか様子を探ってみることにしたんですね。 するとアラ不思議、周りの組織には一切ダメージを加えることなくレーザーを当てたところだけピンポイントで蒸発するではないですか! ―これがレーシック誕生の瞬間です。この近視矯正手術には1995年、食品医薬品局(FDA)から認可が下りました。

3. RAM

RAMは、みなさんお使いのコンピュータすべての処理スピードを上げ、サクサク反応するようにする技術。1967年にはRobert Dennardさんがトランジスタひとつで成るDRAM(Dynamic Random Access Memory:ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)セルを発明し、1968年特許を取得。これが今日のコンシューマ向けメモリソリューションの礎となります。

4. オンラインショッピング

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1994年IBMエンジニアのJohn KingさんとJohn Nilsenさんが「電子カタログを使った商品発注システム」なるものの特許を取ったのが、いわばオンラインショッピング時代の幕開けです。IBMがなかったらAmazonは今ぐらい進化してたかな?

5. ハードドライブ

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SSDとサムドライブの登場で脱・磁気ストレージ時代になりましたが、過去30年間みなさまのマシンの全データを保存するハードドライブを担ってきたのはIBMですよ。1950年代にWilliam Goddardさんが進めていた研究から生まれたのがハードディスクシステムの「350 Disk Storage Unit」、コンピュータ初の磁気ストレージ導入例ですね。1956年登場の初モデルは、高さ6フィート(1.8m)、幅5フィート(1.5m)弱の棚に収まるサイズで、中では50の磁気ディスクのプラッタが1200 RPMで回転していました。文字・数を最大500万個まで保存可能な初代モデル350は1000台以上売れ、1961年現役引退。

6. 月面着陸

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1969年の月面着陸は普段使う技術とはちょっと違いますけど、万人の記憶に残る出来事ということで含めてみました。あれもIBM社員4000人がNASAのコンピュータやソフトウェアの開発を担ったんですね。ロケット誘導システムを開発し、冷蔵庫ぐらい大きなコンピュータをスーツケースのサイズまで小型化して耐久性を高め、リアルタイムの監視可能なソフトウェアまで考案! その努力の結実であるアポロ11月面着陸は今も人類最大かつ最重要な功績のひとつに数えられています。アポロ11飛行主任ジーン・クランツ(Gene Kranz)さん自身、「IBMと同社提供のシステムがなかったら月面には着陸できなかっただろう」と話してますよ。

7. バーコード/8. 磁気ストライプ

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これは異論もあるかもですが、今の消費者が一番よく使う技術のうちバーコードと磁気ストライプの2つもIBMの技術の功績によるものだとPopular Mechanics誌は書いてますよ。磁気ストライプなんて今やありとあらゆるカード(クレジットカード、デビットカード、交通チケット、IDなど)に実装されていますよね。

バーコードのアイディアが最初に出たのは1940年代後半です。が、当時はシンボルを読み込んで解釈する技術がありませんでした。レーザーカメラが登場した当時、このコードを解釈するシステムを開発したのがIBMのエンジニアのGeorge Laurerさん率いるチームです。グラフィックスを2つのパートに分割することで、x通りのパターンのレーザー読み取りが可能に。1974年に製品に初めて貼られて以降、バーコードは今日に至るまで数えきれないほど沢山の商品に使われてきました。

磁気ストライプの方は、Jerome Svigalsさんが1960年代後半開発した技術が最初で、初のプロトタイプは ボール紙1枚に磁気ストライプをテープで貼りつけたものでした。1970年代に広く実用化され、今や磁気ストライプは年間500億回以上もスワイプされてます!

9. 現世代のビデオゲームコンソール

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TVの下に鎮座するビデオゲームコンソール、みんな大好きですよね? これもIBMのCPU技術のお陰で動くんです。任天堂はゲームキューブ以降のゲーム機にIBMのプロセッサを採用しています。Wii U搭載のIBMプロセッサにはなんとあの人間クイズ王を破った初の人工知能ワトソン(Watson)」と同じスパコンのDNAを一部実装する予定。PS3も中核の半導体は(東芝・ソニー共同開発の)IBM Cellですし、Xbox 360もトリプルコアのIBMプロセッサだったりします。

Adrian Covert(原文/satomi)